形成外科はすべての施術の基本です。形成外科は崩れてしまった造形を整えるために行われるものですが、美容外科は、形成外科にデザイン性をプラスしたジャンルです。
つまり形成外科の技術はできて当たり前だし、いかにして美しく仕上げるかが問われます。
医療学校を卒業してすぐに美容外科の業界に飛び込んだドクターに任せると、形成外科の経験が乏しく、思ったようなデザインにならなかったり、ありえない切り方をしたり、失敗が起きやすくなります。
美容外科の学会は、おもに日本美容外科学会(JSAPS)と日本美容外科学会(JSAS)があります。名前は同じ美容外科学会ですが、JSAPSの方はおもに警察病院系で、JSASは十仁系と言われています。どちらか一方に所属しているドクターもいれば、両方所属しているドクターもいます。
それぞれ「会員」「正会員」「専門医」などとランクがあり、「専門医」の方が形成外科の知識や経験も豊富です。ただし、専門医だからといって安心するのは早いです。
専門医は、たしかに優秀なドクターですが、どんなに経験を積んでも腕が磨かれないドクターもいます。知識はあるので、話すとあたかもちゃんとやってくれそうな印象がありますが、実際の手術の腕は二流だったりします。
ドクターも人間なので、得意不得意があります。専門医だからといって、それだけで決めてしまうのは危険です。
ドクターには得意不得意があります。いくら名医と言われるドクターであっても、目が得意な先生に鼻の手術をお願いするのではなく、目には目の手術をお願いした方がよいでしょう。
ある意味、二重の埋没法だけをやるなら、新米ドクターの方がよいケースもあります。
埋没法は一番基本的な施術なので、新米ドクターは最初のころに埋没法ばかりやるクリニックも多いです。とくに大手チェーン店の新米ドクターは、埋没法や注入系などの簡単な施術ばかりやっているでしょう。
そうした施術を望んでいる人は、かえって新米ドクターにやってもらった方が良い結果を得られることもあるのです。
美容整形を受ける人なら、みなさんドクターについて自分で調べると思います。とくに大きな手術になればなるほど慎重になるでしょう。たとえば、症例写真の豊富さや、価格の安さ、経歴、実績、専門性を調べたり、あらゆる口コミサイトや掲示板で情報収集するでしょう。
そしてその情報をもとに、「大学病院の現役教授で形成の専門医、さらに名医と言われている」という医師を選んでも、それでも失敗に終わっている人もいます。
ネット上にある口コミは、業者が自分で高評価の口コミを書き込んだり、金銭などの利害関係により、大して腕がないクリニックをイチオシしています。
美容外科もビジネスであることを忘れないでください。患者を呼び込むために、わざと掲示板などに「名医ですよ」「すごくよかったですよ」などと書き込み、誘導しているサイトが多く見られます。
その情報を100%信じてはいけないのです。
ネット上の情報はあくまで参考資料です。やはり最終的には自分で直接ドクターと話して、あらゆる情報をもとに、総合的に判断することがとても大切です。
カウンセリングの最中に患者の顔を見ずにカルテばかり見ていたり、流れ作業のようにカウンセリングをしているドクターはやめておきましょう。
また、素人であるあなたの質問にも面倒がらずに答えてくれるドクターの方が、一生懸命手術をしてくれるはずです。あなたの質問に曖昧な答えをとったり、機嫌を悪くしたり、よく調べもしないで手術を強要する医師なら絶対にやめておいたほうが良いです。
おれの言うことを聞いていればいい…そうした態度のドクターはやめておきましょう。そうしたドクターはあなたの要望よりも自分のやりたい方法を優先させるし、何か起きたときも逆キレしてくる可能性が高いです。
誠実で、無理な手術を強要せず、あなたに合った手術を提案してくれるドクターを選ぶようにしましょう。
ドクターの笑顔が素敵で、優しそうだから決めた…そんな人も多いと思います。ですがそれを重視して決めてしまうと失敗が起きやすくなるでしょう。
ドクターの人柄と腕は、まったく別物です。人柄が良いと、ちゃんと話を聞いてくれるでしょうし、安心感もあるでしょうが、それが腕もいい保証にはならないのです。
多少厳しそうに感じても、良いことばかり述べるのではなく、術式やリスク、合併症について詳しく説明する医師のほうが信頼できるでしょう。
だからといって性格がキツければ腕がいいわけでもなく、プライドの塊のようなドクターもいるので難しいのですが…多少は相性が悪くても、技術の良い医師に手術してもらった方がよいでしょう。
嫌なドクターに無理して手術してもらう必要はありませんが、すくなくとも「人柄がいい」、「優しい」という理由は、医師選びとして候補に入れてはいけません。
美容整形が成功するのは、運も左右します。ドクターも人間なので、常に100%の実力を出せるとは限りません。美容整形には、かならず失敗の可能性がともなうことを覚悟しましょう。